不動産担保ローン 2022.08.09

不動産担保ローン活用のメリットとデメリット

不動産担保ローンとは、法人または個人が、銀行やノンバンクなどの金融機関から、土地や建物などの不動産を担保にすることで資金を調達できるローン商品のことです。
この不動産担保ローンを活用することによって次に挙げるメリットがあります。

不動産担保ローン活用のメリット

借入金利が低金利になる

不動産を担保にするため、金融機関からすると貸し倒れリスクの高い無担保ローンのカードローンやビジネスローンよりも、低金利で借りることができます。
カードローンやビジネスローンの金利は一般的に年利4~18%ですが、不動産担保フリーローンでは年利2.9~9.5%です。
借入金利が低い分、返済する総額も安くなります。

借入限度額が大きい

個人向けのカードローンや法人向けのビジネスローンは、1,000万円程度が借入金額の限度です。
それに対して不動産担保ローンは、1億円以上の資金を借りることが可能であるため、まとまった資金を調達することが可能です。

長期間にわたって融資を受けることができる

個人向けのカードローンの返済期間は基本6年9か月(80回払い)ですが、不動産担保ローンは、返済期間を10年~30年と長期に設定することができます。
月々の返済する金額を低く抑えるには、返済期間を長期に設定することで可能です。
ただし、返済期間が長くなるほど、利息の負担額は大きくなる点には注意が必要です。

不動産担保ローン活用のデメリット

メリットの多い不動産担保ローンですが、以下のようなデメリットもあります。

融資されるまでに時間がかかる

融資にあたり、金融機関が担保となる不動産の価値を評価する時間が必要となります。
個人向けのキャッシングやカードローンであれば最短で即日融資が可能ですが、不動産担保ローンの場合は、融資を受けるにはノンバンクであれば1週間程度、銀行であれば1か月程度の期間を見て申し込みをするべきです。
ノンバンクの中には即日審査回答がでる企業も増えてきましたが、以下に述べるように、その分手数料が高額になる場合があります。

金利以外にも手数料がかかる

不動産を担保とする場合には、無担保ローンとは異なり不動産の鑑定費用や印紙代、抵当権の登記費用、そして事務手数料といった費用が発生し、その負担は借りる側となります。
個人向けの無担保ローンを利用する時は、ほとんどの場合手数料が発生しません。
印紙代や登記費用は借入金額によって変わりますが、数10万円かかるケースもあります。
そのため、借入額が少額の場合は、せっかく借入金利が低いのに、手数料を含めると無担保ローンと支払総額がほとんど変わらないことがあります。
ちなみに、近年増加しているネット銀行やノンバンクの融資は、金利は低いものの、手数料が高額である場合があります。

返済不能になると不動産が処分される

金融機関は、担保とした不動産について、国に対し抵当権(根抵当権)の登記をします。
抵当権(根抵当権)とは、借入者が債権を返済できなかった時に、金融機関が借入者の担保にした不動産を売却し、売却代金から貸したお金と利息を回収する権利のことです。
つまり、ローンの返済を一定期間以上滞納したり、返済自体ができなくなったりした場合は、担保にした不動産は競売などで処分されてしまいます。
また、担保とする不動産には権利の順位を設定することができ、抵当権が第1順位でないと貸し出ししてくれない金融機関もあります。

以上より、不動産担保ローンは、まとまった資金が必要であり、さらに手数料を含めても無担保ローンよりも返済総額が少ない場合に有効であるといえます。
また、不動産鑑定に時間を要する場合もあるため、融資されるまでの時間に余裕があるという点も重要です。
返済期間も長期になるため返済計画をしっかり立て、上手に活用しましょう。

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