資金調達 2020.01.15

エクィティファイナンスの方法2 ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタルは、これから高い成長性が見込まれる分野や未上場企業に対して、さらに成長するための資金を株式投資地いう形で提供します。そしてベンチャーキャピタルによる投資は、金融機関や事業会社などから出資を受けて組成した投資事業組合(ファンド)を通して行われます。アメリカでは、特にIT分野でのインテルやマイクロソフト、サンマイクロシステムズ、アップル、グーグル、フェイスブックなどの企業も、スタートアップの頃にはベンチャーキャピタルから資金を受け、その資金を原資に飛躍的な成長を遂げているのです。そのようなベンチャーキャピタルはどのように企業を評価し、出資しているのかを見ていくことにしましょう。

ベンチャーキャピタルとはどのような企業なのか

ベンチャーキャピタルは、投資する企業を決めるにあたって、綿密な企業調査(デューディリジェンス)を行います。その結果を踏まえてその会社の将来性を判断するのです。これには技術・サービス評価、そして財務分析なども行います。さらに実際に経営者と何度も面談して将来のビジョンなどについて議論するのです。さらに投資したあとにも、投資した企業の企業価値を最大化できるよう、資金面だけでなく、人材の紹介、さらには国内、海外の販路の開拓、M&Aなどの検討、支援を行うことで、経営に深く関わっていくのです。
またベンチャーキャピタルの業務は、事業買収(バイアウト)投資等とともに、近年では、グループ再編などで分離独立する事業部門の買収や事業承継・上場企業の非上場化なども手がけており、近年はこのマネジメントバイアウト(MBO)による投資も増えています。

どのような企業がベンチャーキャピタルに出資を受けることができるのか

ベンチャーキャピタルは、上場・非上場を問わず企業価値が上がることによって株式市場から多額の資金を獲得できる会社に投資を行います。上場企業の場合は自社の株価を上げることで株価が上昇し資金調達が可能です。しかし非上場企業の株式(プライベートエクイティ)の場合は、株式市場から投資を受けることはできません。ベンチャーキャピタルは、このような非上場企業について、その市場の現状からの将来性や出資する企業のポテンシャルなどを判断して出資を判断するのです。ですから例えば大学の研究機関などの成果を生かした事業や将来的に有望と思われる分野の企業、経営を変革することで再生できるような企業についてもベンチャーキャピタルが投資判断をすれば、ベンチャーキャピタルからの資金調達が可能となるのです。

ベンチャーキャピタルの出資の仕組みはどのようになっているのか

ベンチャーキャピタルは、投資事業組合(ファンド)を通じて企業に投資を行います。ベンチャーキャピタルは、金融機関や機関投資家などからファンドへの出資を募り、そのファンドの運営と管理を行います。そして投資後は、企業価値向上のため様々な経営支援を行って企業価値を最大化する活動を行います。そして投資した企業が株式上場やM&A等により収益を上げたキャピタルゲインは、最終的にファンドの出資者に分配するのです。

いかがでしたでしょうか。ベンチャーキャピタルから出資を受けることは中小企業、スタートアップ企業でも十分に可能なものです。ただベンチャーキャピタルが自社の将来性、有望性を判断するために出資を行うのですから、それ相応の期間も手間もかかります。
しかしながら自社の市場や技術に自信があるのなら十分にチャレンジすることもいいの絵はないでしょうか。

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