資金調達 2020.01.22

企業の資金調達方法いろいろ

会社や事業を運営するにはお金が必要です。資金調達とは「いまお金がないからそれをどこかで調達して必要な支払いにあてる」という非常にシンプルなことです。しかし、資金調達と一言で言っても、実はその方法は非常に多岐に渡るのです。
またその資金調達方法は大きく分けて3つの種類があります。

会社の「資産」を何らかの形で資金に変える

企業が持っている資産を売却したりすることによって現金を得る資金調達方法です。これを総称してアセットファイナンスと呼びます。資産の現金化する方法としては、不動産などの資産を売却したり、回収時期がかなり先の売掛債権、さらには事業そのものを売却する方法も考えられます。この方法を選択するには当然ながら現金化するための資産があることが前提です。さらに現金化する場合、実際の価値よりも低くなってしまうことにも注意が必要です。

誰かから借りる「負債」によって資金調達をする

これは他人から借りて資金調達を行う方法です。これを総称してデットファイナンスと呼びます。銀行からの融資が一般的な方法ですが社債発行などによる資金調達も考えられます。デットファイナンスは、企業にとって最も一般的な手法であり、ポイントとして
・原則として、返済義務のある資金(負債)である
・支払利息がコスト(費用)として発生する
・レバレッジ効果がある一方で、財務面の安全性に不安がある

・支払利息は会計上、損金に算入されるため、その分課税対象額が低減される
というものがあげられます。さらにデットファイナンスの重要なポイントとして、会社の信用力によって調達できる金額や金利、さらにとるべき手段が変わりますので気を付けるべきでしょう。

会社に投資をしてもらう「資本」によって資金調達をする
資本を増加させて資金調達を行う方法も考えられます。例えば新規の株式の発行や株式に転換する社債(株式転換社債)を発行することなどです。これをエクイティファイナンスと呼びます。具体的には、公募増資や中間発行増資、転換社債、ワラント債など新株発行を伴う資金調達をいいます。この方法の最大の特徴は、集めた資金の返済義務を負わないことです。「当たり前」と思われるかもしれませんが、例えば、1株100円で発行した株式の市場価格が10円に下がったとしても、会社が株主から100円で株式を買い取ったり、株主に対して差額の90円を支払ったりする必要はありません。これはつまり、お金を集めたら「集めっぱなし」で良い、ということです。発行会社にとっては、原則として返済期限を定めない資金調達となるため、自己資本の充実や財務体質を強固にするプラス効果をもたらします。半面、株式数の増加で1株当たり利益が希薄になったり、調達した資金が適切な投資に当てられないことも考えられます。また配当政策や会社の支配関係などに影響が出るなどリスクも伴います。

この記事では、企業の資金調達方法として大まかに3種類を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
紹介した資金調達手段の中からどれを選択するべきなのかは、将来の事業の成長、発展やそれに伴う資金需要の見通しを、現在の事業用現金の必要性や金額、創業者等の持株比率等の観点から慎重に検討することが必要になります。

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