資金調達 2019.07.28

決済に手形をもらったらどうすれば良いか

手形には約束手形と為替手形の大きく分けて2種類があります。約束手形とは、振出人が受取人に対して、決められた期日に決められた金額の支払いを約束する証券のことです。一方で為替手形とは、振出人が引受人に対して決められた期日に決められた金額を受取人へ支払うことを委託する証券のことをいいます。この記事では、約束手形を受け取ったときの具体的な確認方法と手形をすぐに現金化する方法について解説していきます。

約束手形の記載事項を確認するポイント

約束手形は、支払いの代わりとして法的に認められた有価証券です。しかし、中には全く書き方が違っていたり、ルールが守られていなかったりする手形が存在しており、最悪の場合には支払いを受け取れないこともあります。したがって、手形を受け取ったときには、第一に必ず下記の事項について確認してください。
①約束手形の文字
②発行者の印鑑
③受取人の名前
④支払期日
⑤銀行の所在地
⑥金額欄
⑦支払を約束したことが分かる文章
⑧振込人の名前
⑨手形の振出日や振出地
⑩消印がされている印紙
この中でも特に金額、受取人の名前、支払期日、振出日の4点については、最低限すぐにチェックをしておくべき項目です。

資金調達としての手形割引

基本的な支払いは、当座預金に入金してもらう方法がスタンダードですが、手形割引という方法もあります。手形割引とは、決められた支払期日の前に、金融機関等に買い取ってもらって現金にすることをいいます。会社の資金繰りの状況などによって、少しでも早く現金化したい場合には有効な手段です。また、手形割引には、商取引で降り出された手形の現金化として利用される商業手形割引や自社の手形を担保にして金融機関などから現金を借り受けられる自己手形割引というものがあります。なお、手形割引を行う際には、様々な手数料が発生します。必ず払わなければ行けないのが手形割引手数料で、これは計算式によって計算することが可能です。申し込む際には必ず確認しておきましょう。

手形割引のメリットやデメリット

手形割引は、早急に現金が必要な方や新たな融資を受けるよりも、持参している手形を今すぐ活用したい方などにおすすめです。手形は銀行だけでなく、手形割引専門業者に依頼して現金化することも可能です。最近では、現金化されるまでの時間がとてもスピーディになってきているので、資金繰りが厳しい状況の時や銀行からの融資が受けられずにお困りの場合は、とても助かる仕組みといえます。一方で、手形割引を行う際には銀行や手形割引業者の取り分となる割引料を支払わなければいけないため、当然のことながら満額を受け取ることはできません。また、手形が不渡りとなってしまった場合には、銀行や手形割引業者に弁済をしなくてはいけないというデメリットがあります。このように手形割引については、メリット、デメリットが存在するので、よく検討した上で活用していきましょう。

【まとめ】
この記事では、決済に手形をもらったらどのようにすればよいのか、また手形をすぐに現金化できる手形割引について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。今もなお、手形での決済を行っている事業者は少なくありません。いざ手形をもらったときに慌てずに対応できるように手形決済についてきちんと理解し、十分に確認をした上で手形決済を進めていくとよいでしょう。

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