資金調達 2020.02.07

資金調達から考えたい銀行選びのポイント メガバンク、地方銀行、ネット銀行、信用金庫の違い

企業が資金調達を行う手段の一つに、銀行融資があります。銀行融資とは、創業資金や運転資金等事業を行う資金を得るために、一定の利息をつけて計画的に返済することを約束に銀行からお金を貸し出してもらうことです。カードローンやキャッシングとは異なり一度に大きな金額を融資してもらえるため、まとまった資金調達を行うためには、銀行融資を選択することが多いと言えます。しかし銀行融資は審査や、利率、特徴が異なるほか、付き合いが長くなる可能性もあるため、融資依頼先の選択は重要となってきます。また、銀行と一口に言っても、メガバンクから、地元の信用金庫まで様々です。それでは、どの銀行に融資を選択するのがよいのでしょうか。資金調達に選択すべき銀行選びのポイントについて、民間金融機関から、それぞれの特徴を見ていきましょう。

メガバンク

全国各地にあり、総資産の多さから最も信頼性が高いのがメガバンクです。低金利で高額の融資ができる点が特徴であるため、大企業の多くがメガバンクと取引をしています。ただし、実績を中心に判断するため中小企業やベンチャー企業などの実績の少ない企業が融資を依頼する場合や、融資金額が少額である場合は取引に向かず、審査に落ちてしまう可能性が高いと言えます。メガバンクから融資を受ける場合は、ある程度の実績を積み、設備投資などのまとまった資金が必要であるときに融資を依頼するのが良いでしょう。

地方銀行

メガバンクのように全国各地に支店はありませんが、一部地域のほとんどに支店があるような地域密着型です。そのため、メガバンクと比較すると金利は高いものの、地方発の規模が小さい中小企業であっても融資の相談に乗ってもらいやすい点が特徴です。また、長期的な融資を基本としているため、業績が安定しないうちはメガバンクよりも長期的に見てくれる地方銀行の方が安心といえます。ただし、融資にあたってはプロパー融資ではなく保証協会付きの融資を求められることが多く、金利に加え保証料を取られる可能性があります。

信用金庫

信用金庫は地方銀行とは異なり、株式会社ではなくその地域の会社や住民を組合員とする非営利法人です。地域密着型という点では地方銀行と同様ですが、地方銀行よりも更に対象エリアが狭い点が特徴です。そのため、メガバンクや地方銀行でもなかなか取り扱わない少額の融資であっても相談に乗ってくれることがあります。ただし、メガバンクや地方銀行と比較すると金利が高いといえます。

ネット銀行

ネット銀行の一番の特徴は、インターネットで申し込みが完結し、来店が不要である点です。そのため全国どこからでも申し込みをすることが可能で、審査も比較的早いと言えます。ただし、まだまだ法人融資を行うネット銀行は少なく、運転資金に限定した商品や、ビジネスローンという形での少額融資という形を打ち出している企業が多いです。また、実店舗のある銀行や信用金庫とは異なり担当者がつかないため、相談しづらい、という点もデメリットといえます。

【まとめ】
民間金融機関の特徴をそれぞれ見てきました。起業したばかりでまだ決算書類が十分ではない不安定な状態のときは、まずは地方銀行や信用金庫に融資の相談をするのが良いでしょう。設備投資ではなく運転資金であればネット銀行の融資を利用することも可能です。安定的な収入が図れ、高額の融資を依頼するようになった場合は、低金利で高額の借り入れが可能であるメガバンクへの相談を検討するなど、企業の規模や成長性を考え、借入先を検討しましょう。

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