資金調達 2022.08.10

銀行員が決算書を見るポイント

資金調達を行う方法の一つとして、銀行で融資を受ける方法があります。
銀行で融資を受ける場合には、自社の決算書を提出する必要があるのはご承知のとおりです。
決算書の内容が審査結果に大きな影響を与えるのは言うまでもありませんが、銀行員は決算書のどの項目を見て判断をしているのかをご存知でしょうか。
この記事では、中小企業向け融資の場合に、融資審査の判断ポイントや銀行が決算書のどの項目を見ているか、決算書で確認しているポイントを解説します。

融資審査の判断ポイント

銀行員が、融資の審査を行う場合に、決算書から確認したい点は、収益性と安全性の2点です。
前者においては、借入金が返済できる能力があるかであり、後者においては、経営的・資金的に安定した基盤があるか、倒産の可能性がないかを確認します。
なお、財務関連の書籍によく載っている比率分析もある程度は実施しますが、中小企業の場合には比率分析だけでは十分に経営内容が把握できないため、比率分析よりも実額での分析の方が重視される傾向にあります。

銀行が決算書で確認しているポイント

決算書の貸借対照表、損益計算書、およびキャッシュフロー計算書について、前述の判断ポイントをもとに確認をしています。

①損益計算書

損益計算書では、融資審査の判断ポイントである収益性について確認します。
税引後当期利益、経常利益、営業利益、売上総利益、売上高の金額から、その会社の収益状況の概況を確認します。
また、「税引後当期利益+当期の減価償却費」という計算式により、今期の損益から得られる理論上の現金収益から借入金返済ができるか否かを判断します。
そして、3期~5期分の損益計算書について比較を行い、収益構造がどのように変化しているかも確認します。
もし、損益計算書において収益性に疑念がある場合においても、銀行側が融資を前向きに考えている場合には、追加で収支計画を提出してもらい、将来における収益性もあわせて判断します。

②キャッシュフロー計算書

融資審査の判断ポイントである収益性の確認を行うために、損益計算書のみでは会計上の利益のみしかわからないため、キャッシュフロー計算書もあわせて確認します。
キャッシュフロー計算書の場合には、決算期ごとにフリーキャッシュフローの金額が大きく変動することがあるため、3期分の合計額をもとに会社全体の資金繰り状況を判断します。

③貸借対照表

判断ポイントである収益性に問題がなかった場合に、貸借対照表にて安全性の確認をします。
自己資本金額から利益剰余金の積立水準について、借入金の残高、現預金の月商倍率、固定資産・投資等のうちの換金可能資産の有無について確認を行い、経営状態が変動した場合に財務的な余力があるかを判断します。

まとめ

銀行員が融資審査の時に決算書をどのような視点から見ているのかについて、ご理解いただけましたでしょうか。
融資審査の判断ポイントとして、主に収益性と安全性を挙げましたが、その他に所要運転資金や固定資産の金額、毎年の販売管理費の計上額から借入金の必要性について確認したり、貸借対照表の内容から粉飾決済ではないことを確認するなど、決算書の内容を多角的に確認したうえで判断しています。
銀行から融資を受ける場合において、銀行員から見て融資が出しやすい決算書を作成するためには、融資審査の判断ポイントである収益性と安全性に特に注意をしながら、毎期の業績向上に努めていくことが重要だといえるでしょう。

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