ファクタリング 2019.07.28

なぜ経済産業省はファクタリングを推奨するのか

ファクタリングは、売掛金を売却することで資金が得られる資金調達方法です。資金繰りに苦しむ中小企業にとっては、銀行等での融資に比べて審査が通りやすく、即金性もあるため、資金繰り改善に最適な資金調達方法といえるのではないでしょうか。しかし、現状では多くの中小企業が銀行からの融資で資金調達をしており、ファクタリングの利用は少ない状況です。そのような状況のファクタリングがなぜ経済産業省から推奨されているのかについて、具体的に3つの面から解説していきます。

不動産担保に依存している

現在では、日本企業の約9割が不動産を担保にした融資の契約をしています。しかし、中小企業によっては、不動産をあまり保有していない場合も少なくありません。また、日本の不動産価値は、少子高齢化に伴い、高齢化率は30%を超え、団塊の世代が減少すると空き家が急増することで、ほぼ間違いなく下落するでしょう。したがって、不動産の担保だけに頼ってしまうと融資そのものが受けられなくなる可能性もあり、多くの中小企業が資金調達に苦しむことになります。このような状況の中で、政府としても中小企業が不動産を担保にした銀行からの融資に依存することなく、不動産以外の様々な資金調達の手法を推し進めていきたいというのが実態です。

中小企業の保有する売掛債権の規模が大きい

中小企業の保有する売掛債権の金額は70兆円を超えていると言われており、国家予算や従来から利用されてきた土地担保の金額にも匹敵するほどの規模になっています。しかし、その中で融資担保として利用されている売掛債権については全体の2%以下で資金調達の手段としてはほとんど活用されていないのが現状です。この数値は米国の15%と比較すると、相当低い数値といえるでしょう。また、富士総合研究所が以前に実施したアンケートでは、売掛債権を活用した資金調達を「利用したことがある」と答えた企業は全体の10%程度でした。その一方で、約30%の企業は、「利用したことはないが、関心はある」と回答しています。経済産業省では、関心やニーズはあるものの実際に利用するまでには至っていない、という課題を解決していきたい狙いもあるようです。

中小企業への融資貸し渋り

多くの中小企業では、銀行からの融資で資金調達を行っています。しかし、大企業と比べ、銀行からの審査が厳しい現状があります。なぜならば、大企業に比べ、審査にかかるコストに対してのリターンが薄いということが挙げられます。また、保障能力が低く、経営状況も外的な要因に左右されやすいことや、会計監査や情報公開が義務づけられていないため、銀行が企業を判断する材料が極めて少ないために融資の貸し渋りがおきてしまうのです。また、銀行融資では、担保や保証人が必要となったり、借入が行えたとしても返済が滞ってしまえば担保の売却や保証人への返済が求められたりするなどのリスクが伴います。その点ファクタリングでは、そもそも融資ではないため、このようなことが起こらずに気軽に利用できる仕組みであり、たくさんのリスクを軽減できるといえるでしょう。
【まとめ】
ファクタリングがなぜ経済産業省から推奨されているのかについての解説をしましたが、いかがだったでしょうか。経済産業省では中小企業が多様な資金調達を行える一環としてもファクタリングの推奨をしています。資金調達は会社経営をしていく上で重要な戦略です。今後はますますファクタリングの重要性が高まってきますので、ファクタリングの知識をきちんと身につけ、いざというときに資金調達の方法の一つとしてお考えいただければと思います。

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