ファクタリングの買取に限度額はあるのか
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却することで期日前に現金化するサービスです。
当然ながら、利用する会社が保有している売掛債権の額面以上の金額で買い取ってもらうことはできないため、これがひとつの上限となります。
ただしその他にも、会社ごとや売掛債権ごとなど、様々な要素によって買取の限度額が決められます。
限度額がどのように決まるか理解しておけば、事前にどれくらいの現金が手に入るのか計算しやすくなるほか、ファクタリング会社と買取金額の交渉をする際にも役立ちます。
ぜひファクタリングを利用する前に確認しておきましょう。
会社によって異なる限度額
ファクタリング会社は、それぞれ買取できる売掛債権の上限額を決めています。
会社によって違いはありますが、だいたい1〜3億円程度を上限に定めている会社が多いようです。
ファクタリング会社としては、買取額が大きくなるほど回収不能になった場合のダメージは増えるので、受け止められるリスクによって限度を決めているのです。
総じて規模の大きい会社ほど限度額は高く、資金力に乏しい中小の会社では限度額が低くなっています。
しかしながら、ファクタリングを利用する全ての会社が、ファクタリング会社が定める上限いっぱいまで売上債権を買い取ってもらえるわけではありません。
ファクタリング会社は買取時に利用会社の審査を行い、その信用力を調査して個別に上限額を決めているのです。
よって3億円まで買取を標榜するファクタリングに買取を依頼しても、実際に買い取ってもらえたのは数千万円だった、ということもあり得るので注意が必要です。
売掛債権によっても異なる限度額
ファクタリング会社は売上債権を買い取るとき、額面の金額を利用会社にそのまま支払うわけではありません。
それぞれの債権ごとに額面の何割まで買取可能かという掛目を決め、その分を差し引いた金額を支払うことになります。
掛け目は売掛債権が回収不能になったときのための留保金としての意味合いを持ち、だいたい5〜8割程度になることが多いようです。
例えば額面が1,000万円の売掛債権であっても、実際に入金されるのは500〜800万円程度ということです。
一般的に信用力がある会社の売掛債権ほど掛け目は少なくなるため、割高に買い取ってもらうことが期待できます。
限度額を決める3つの要素
ファクタリング会社、利用会社及び売掛債権によって限度額が異なることはご理解いただけたと思います。
ここで、限度額を決める要素について3つの観点から解説します。
1.売掛債権の信用力
上で述べたように、売掛金の信用力は非常に重要となります。
信用力とはすなわち、「確実に売掛債権が入金される」ということです。
ファクタリング会社がチェックしている具体的なポイントとしては「会社の規模が大きい」「黒字である」「利用会社との取引履歴が長い」などがあります。
信用力が高いと判断されれば額面の8〜9割という高い額で買い取ってもらえることも期待できます。
逆に信頼性に問題がある、または実在性が不明瞭な債権の場合、ファクタリング会社は損失リスクを引き下げるため買取割合を大幅に削られてしまうので注意が必要です。
2.売掛債権の数
ファクタリング会社は、買取総額が同じでも単一の売掛債権より複数の売掛債権に分散されていることを評価します。
例えば1社からの300万円の売掛債権を買い取る時より、3社から100万円ずつの売掛債権を買い取る時の方が買取額は高く設定されることが多いです。
なぜなら、複数の会社に分散した債権なら、仮に1社から回収不能になったとしても他の会社からは回収でき、損失リスクを軽減できるからです。
ファクタリング利用時、大きい額の債権を売るよりは少額の債権をいくつか集めて売る方が有利に資金調達できるでしょう。
3.ファクタリングの利用実績
初めてファクタリングを利用する顧客に比べて、リピーターに対しては有利な条件が提示されることが多いです。
過去に取引実績がある先であれば一定の信頼があり、回収不能になるリスクが少ないと判断されるためです。
【まとめ】
この記事ではファクタリングの買取限度額について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
限度額はファクタリング会社の判断によるところが大きいので、ファクタリング利用の際は複数社からの見積を比較して有利な条件で売却できるところを探すと良いでしょう。