ファクタリングも使いすぎに注意。手数料、諸経費が資金繰りを圧迫することもある
こちらの記事では、ファクタリングの手数料と諸経費について解説しています。ファクタリングを利用している方、ファクタリングを検討中の方は是非最後までご覧ください。
ファクタリングは資金調達方法としてメリットも多くありますが、諸経費についてしっかりと把握し上手に活用することが大切です。上手く活用すれば資金繰りの改善に役立ちますが、使いすぎると資金繰りを圧迫しかねません。
ファクタリングは、売上債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで現金化し、資金調達する方法です。売掛債権を早期に回収できるため資金繰りの改善に使われますが、契約の際にはファクタリング会社に支払う手数料と、手続き上必要な諸経費がかかります。それぞれについて、確認していきましょう。
ファクタリング手数料
ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらう際、買取売掛金額から手数料が差し引かれます。ファクタリング手数料は売掛先の信用力やファクタリングの契約種類、売掛債権の額など様々な要因で変動します。そのため、いくら手数料がかかるか一概には言えませんが、契約種類ごとの相場は以下のようになっています。
・3社間ファクタリング: 買取(売掛)金額の1〜5%
・2社間ファクタリング: 買取(売掛)金額の6〜40%
特に2社間ファクタリングの手数料相場は、3社間ファクタリングに比べて高くなっています。これは契約の形態上、売掛先が倒産するなど債権が回収不能になるリスクをファクタリング会社が負うことになるためです。2社間ファクタリングの利用を繰り返すと手数料だけでかなりの負担になってしまうので、手数料を節約するには3社間ファクタリングを利用することをおすすめします。
ファクタリングにかかる諸経費
手数料以外にも、ファクタリング契約を結ぶにあたって様々な経費がかかります。代表的な諸経費の項目を以下に挙げていきます。
1.事務手数料(審査料)
相場:0円〜5,000円
ファクタリング会社では売掛債権を買い取る際、受付や書類審査、契約締結まで多くの手間がかかります。そのためファクタリング会社によっては、契約1件ごとに事務手数料を請求するところもあります。中には審査料という名目にする会社もあるようです。ファクタリング会社によって金額が異なるため、契約前に確認しておきましょう。
2.印紙税
相場:0円〜200,000円
ファクタリング契約の締結時、収入印紙を買って契約書に貼付しなければなりません。これは印紙税法という法律で定められた税金であり、収入印紙を貼付しなければ「脱税」となるため、どのファクタリング会社を選んだとしても同じように費用がかかります。貼付する収入印紙の金額はファクタリング契約の金額によって異なりますが、一般的なファクタリング利用金額であれば数百円〜数千円の印紙を貼ることが多くなるでしょう。
3.債権譲渡登記費用(2社間ファクタリングの場合)
相場:50,000円〜70,000円
2社間ファクタリングを利用する場合、債権譲渡登記をする必要があります。2社間ファクタリングでは売掛先に対して同意を得ないまま契約を締結するので、第三者に対抗する要件を備えるために登記するのです。もし第三者が、ファクタリング会社が買い取った債権は自分のものだ、と主張しても、債権譲渡登記がしてあれば抗弁(反論)することができます。債権譲渡登記の手続きには登録免許税がかかるほか、一般的に司法書士に手続きを依頼するため、司法書士への報酬もかかります。
4.公正証書費用
相場:0円〜43,000円
公正証書とは、公証人役場で公証人から作成してもらった書類のことをいいます。もし債務者が契約どおり支払いを行わない場合、差し押さえするために必要な手続きです。ファクタリング会社によって公正証書を作成する会社と作成しない会社があります。
この記事ではファクタリングの手数料と諸経費について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。ファクタリングは便利な資金調達方法ですが、ファクタリングを使い過ぎることで手数料と諸経費の負担が大きくなると資金繰りの悪化を招きます。契約の際には、必要な費用と受け取れる金額を必ず事前に確認し、無理のない範囲で利用するようにしましょう。
インターネットで調べると、ファクタリングの手数料については明記されていますが、諸経費に関しては大きく明記されていないことが多い現状です。利用者様は売掛金から手数料を差し引いた金額が手元に残ると思いがちですが、実際はその他諸経費がかかることも上記のようにあります。ファクタリング会社の中にはファクタリング手数料のみで諸経費がかからない会社も存在しますので、利用する前にしっかりと確認することが重要です。こちらの記事を参考に最適な資金調達を行って頂けたら幸いです。