ビジネスローン 2019.07.24

中小企業の資金調達スピード徹底比較

中小企業が資金繰りを計画する際は、申し込んで調達元から入金されるまでのスピードが早ければ早いほど、運用には有利に働きます。中小企業の資金調達には数多くの方法がありますが、それぞれの入金までのスピードはどう違うのでしょうか。その主な調達方法について、比較して見てみましょう。

数日程度で入金を見込める方法

まず、急に資金が必要となった場合に、申し込みから数日程度で資金調達する方法を紹介します。

・ファクタリング

売掛債権を売却して、現金化する方法がファクタリングです。
手数料こそ引かれるものの入金予定日よりも早く現金化できるため、多額の売掛金が発生して近々の運転資金が足りない時など、緊急の場合にも心強い方法です。
提供するファクタリング会社の種類によって入金されるまでのスピードは異なりますが、最短で当日現金化できる可能性があります。

・ビジネスローン

事業者を対象にした金融商品がビジネスローンです。
銀行融資の場合、資金使途が運転資金のみ・設備資金のみと限定されることが多いですが、ビジネスローンは使途が限定されないため利便性が高く、急な資金難にも柔軟に対応できます。
審査スピードが早いのが特徴的で、最短で即日対応が可能な場合があります。

入金までに1か月以上かかる方法

次に利息は低いものの、書類の準備や審査に1ヶ月以上はかかるものを紹介します。

・日本政策金融公庫による融資

日本政策金融公庫は国が100%出資した金融機関であり、銀行よりも借入れ条件が良く、利息も低いので借入れしやすいのが特徴です。審査におよそ3週間以上かかりそれから入金されるので、申し込みから入金されるまで1か月以上は見込んでおく必要があります。

・地方自治体による制度融資

都道府県や市区町村等の地方自治体が展開しているのが制度融資で、地域の産業経済振興や企業の育成等を目的とした融資の方法です。銀行借入れよりも低利で無担保にて実施してくるのがほとんどですが、審査に時間がかかるため、申し込みから入金までの目安は1か月~2か月程度です。

・銀行融資

銀行から必要な資金の融資を受ける、資金調達の最もポピュラーな方法でしょう。
ノンバンク系の融資に比べると金利は低いですが、審査の基準は厳しく、担保や保証人・銀行への信用などクリアすべきハードルは高めです。決裁権がどこの部署にあるかなどによって入金までのスピードは異なりますが、1か月~数か月は見ておく必要があります。

数ヶ月程度の長期を見込んでおく必要がある方法

最後に利息は不要ですが、調達まで数ヶ月は見ておく必要があるものを紹介しておきましょう・

・助成金、補助金

主に厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金と、主に経済産業省や地方公共団体が管轄する補助金は、どちらも返済する必要がなく魅力的な資金調達方法です。
ただし、申し込み後の途中経過報告など、必要な書類や手続きが多く、入金されるまでにも
数か月~半年程度はかかるため、短期的な資金繰りには向いていません。

・クラウドファンディング

ネットを通じて多数の人々に、自らのプロジェクトをプレゼンして必要な資金提供をよびかけ、その趣旨に賛同してくれた人から資金を調達する方法がクラウドファンディングです。
その他の調達方法と違って、この方法はプロジェクトの立ち上げまでの準備に時間がかかります。そこからプロジェクトが成功してはじめて入金になるのですが、作業開始からは半年は見ておく必要があります。長期的な視点で計画する前提の方法です。

【まとめ】
上記で紹介してきた方法以外にも、投資家から直接投資してもらう方法や役員から調達する方法もあり、入金のタイミングがいつになるかは条件次第といえるでしょう。
中小企業の資金繰り状況は運営においての生命線ですから、入金までのスピードがどれくらいなのかは重要な指標のひとつです。利用する際には、十分に検討して計画的に選択をしていきましょう。

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