ファクタリング 2019.07.08

給与ファクタリングとは何か?

あまりなじみのない言い方かもしれませんが、自分が働いた給料を事業主に請求する権利のことを、給与債権といいます。
給与ファクタリングとは、個人からこの給与債権を買い取って、給料日より前に現金化してくれるサービスのことです。
手数料こそ差し引かれますが、「給与の前借り」に近い感覚のサービスであり、クレジット・ローンなどの借入に代わる手段として、徐々に世間に浸透してきています。

給与ファクタリングのメリット

・個人信用情報に影響しない
クレジットやローンを利用すると、通常は個人信用情報に登録されていきますが、給与ファクタリングは借入ではなく給与債権の売買という扱いのため、利用しても個人信用情報に悪影響がありません。

・金融ブラックでも利用できる
借入ではないため、いわゆる金融ブラックでも利用することができます。
審査の際には、申し込み者本人の信用よりも、きちんと給与が払われるかという会社の信用度合いを優先して判断をされます。

・即日現金化できる
勤務先を介さずに、利用者とファクタリング会社との「2社間ファクタリング」という方法であれば、その日での買取・現金化も見込めます。緊急で現金が必要な際に便利です。

・給料の未払い防止になる
万一、会社が倒産するなどして給与が支払われない場合でも、ファクタリングで入ったお金は返済をする必要がありません。
リスクを回避する方法としても利用できます。

給与ファクタリングのデメリット

・手数料が高い
借入ではないため、給与ファクタリングは「利息制限法」の制限を受けません。
給与ファクタリング利用時の手数料目安は10~20%程度ですが、これを年利に換算すると100%を超える計算になります。
借入とは性質が違うものなので、単純に比較することは決して妥当ではありませんが、安く済む手数料でないことは明らかです。

・会社からの信用を失う可能性がある
高い手数料を抑える方法のひとつに、勤務先を交えて取引する「3社間ファクタリング」がありますが、勤務先からの信用を失う可能性が高いので、あまりおすすめの方法とはいえません。

・提供している会社が少ない
サービス自体の認知度もさることながら、提供しているファクタリング会社もまだまだ多くありません。そのため条件の比較がしにくい面もあります。

利用する際の注意点

給与ファクタリングのサービス自体、登場してからまだ日が浅く、それだけに数少ない対応ファクタリング会社から提供されているサービスも、十分にブラッシュアップされているとはいえないでしょう。
個人の資金調達法としては有効な手段ではありますが、利息が高いことを考えても、継続的に使用していくのには、高いリスクが伴っていることを忘れてはいけません。

また、ファクタリング会社が業務を開始するにあたっては、貸金業と違って資格などの制限がないため、そこに付け込んだ闇金や悪徳業者が入り込む余地があることは否定できません。
サービスの謳い文句だけを鵜呑みにせず、利用する前には契約内容についてしっかりと確認して、トラブルに巻き込まれないように注意しましょう。

【まとめ】
給与ファクタリングは、借入に換わる個人の資金調達方法として、今後確立されていくかもしれません。それに伴い、法の整備などが整っていくことも予想されますが、現段階ではリスクも多少なりともあります。急を要する状況で利用を検討するにしても、利用に際しては慎重に検討をする必要があるでしょう。

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