ファクタリング 2020.02.07

薄利多売のビジネスだとファクタリングは不向きなのか

薄利多売ビジネスとは、利益が少ないものをたくさん仕入れて、または製造して多く売ることで全体として莫大な利益を得るビジネスのことをいいます。以前は「商売の基本は薄利多売」と言われていましたが、現在においては、小規模事業者や個人事業主にとって、薄利多売ビジネスがかえって危機を招く恐れもあるため、銀行等で融資を断られてしまうこともあります。
では融資の性格を持たないファクタリングについてはどうでしょうか。ファクタリングを利用する場合には、手数料が発生します。売掛債権の金額から手数料を差し引いた買取金額を現金化することにより、資金となります。この時、ファクタリング会社に売却する売掛債権の利益率よりもファクタリングの手数料の方が高い場合には、反対に利益が吹き飛んでしまう可能性があるため、ファクタリングは不向きといえるかもしれません。売掛債権の利益率とファクタリング手数料を確認したうえで、ファクタリングの利用をおすすめします。
では薄利多売ビジネスを行っている業界は、ファクタリングを利用しているのでしょうか。薄利多売ビジネスはファクタリングを利用するのに向いていないのでしょうか。薄利多売ビジネスを行っている業界を例として説明します。

建設業

建設業は、家を建てる、道路を作る、ビルや公共施設の施工建築など、建物の土木建築工事を行っている業界です。この業界は大企業から中小企業まで様々な事業形態の会社が存在しています。建設業における取引は建築物が完成後に工事代金を受領するのが一般的です。しかしながら、建築物を建築するためには材料費、工事費、そして人件費等が必要であり、建築物完成までに数千万円、数億円規模となる費用を立て替える必要があります。また、下請け業者へ工事を依頼する場合においては、前金として下請け業者へ支払う必要があるため、その分の資金も必要です。工事完成時期がおおよそ決まっていることもあり、借入を行うほどの長期間でもないことからファクタリングには適していると思われます。また、通常では貸し倒れた際のリスクをファクタリング会社が負うことになりますが、建設業の場合には、一般財団法人建設業振興基金という団体があり、ファクタリング契約の際には契約保証もするため、ファクタリング会社にとっても安心であり、ファクタリングの審査が通りやすい傾向にあります。

アパレル業

アパレル業は商品の仕入れを季節の変わり目にまとめて行い、3~4ヶ月かけて在庫を売るという特性があります。多くの在庫を抱えることから、銀行等からの融資を断られる場合が多いといえます。
アパレル業は季節や流行により売れる商品が変わり、またインターネットの普及により流行のサイクルが以前にも増して早まっているため、在庫一掃セールを行う等して売りさばくのがセオリーですが、仕入れによっては赤字同然の価格で売ることもあり、多くの損失を出してしまう場合もあります。しかし、多くの損失を出してしまった場合においても次の季節に向けた商品を仕入れ・製造を行わなければならないため資金が必要であり、また、商品を売る際にクレジットカード決済を行った場合には、支払サイトが45日であることからクレジットカード債権でファクタリングを利用する場合が多くみられます。

薄利多売ビジネスの例として建設業とアパレル業を挙げましたが、いかがでしたでしょうか。薄利多売ビジネスであっても、ファクタリングはあらゆるケースに柔軟に対応できる資金調達方法といえるでしょう。薄利多売ビジネスを行っている経営者は、一度ファクタリング利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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