2社間ファクタリングはどうして手数料が高くなるか?
ファクタリングとは、未回収の売掛金を買い取ってもらえるサービスです。
売掛先からの売掛金の入金が遅れたり、売掛先が貸倒れたことなどによる資金難に陥る可能性がある場合、ファクタリングを利用することで未回収のままの売掛金を売却して現金化することができます。
資金調達の方法として公的融資やビジネスローンがありますが、ファクタリングはこれらの方法と比べると審査が甘く、早く資金化することができます。
また、売掛債権譲渡後に売掛先が倒産した場合、サービス利用側は返金の義務がないため、売掛債権譲渡後のリスクが低く、資金調達として他の方法と比べてハードルが低いです。
ファクタリングを継続的に利用すれば、数ヶ月後に支払いが来る売掛債権を前倒しで入金してもらうことも可能です。
これにより、 資金の回転効率を良くして、キャッシュフローを改善することもできます。
しかし、ファクタリング手数料が高く、月の経常利益率<ファクタリング手数料 となってしまう場合、資金繰りに悪影響が出てしまいます。
一般的にファクタリングの手数料は、3社間ファクタリングで1%~5% 、2社間ファクタリングで5%~40% となっており、2社間ファクタリングのほうが手数料が高い傾向にあります。
では、この2つの方法にはどのような違いがあるのでしょうか。
2社間ファクタリング
ファクタリングは、ファクタリングを希望する企業、ファクタリング会社、ファクタリングを希望する企業の売掛先の3社によって成り立ちますが、2社間ファクタリングの場合、売掛債権の譲渡をするということを売掛先に通知しないため、ファクタリングを希望する企業とファクタリング会社のみで契約することができます。
売掛債権の売却を売掛先に知られることが無いため、取引関係に悪影響を与えずに済みます。
また、3社間ファクタリングと比べて、手続きの段取りや資料の作成などの手間が短縮できるため、現金化までの時間が短く、手続きが簡単になります。
しかし、売掛先から売掛金が支払われた際にファクタリング会社に支払う必要がありますが、「他の支払いに使ってしまった」、「請求が厳しい返済にまわしてしまった」など、経営者が別の資金に利用してしまうという貸し倒れリスクがあるため、3社間ファクタリングと比べて手数料が高くなる傾向があります。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングでは、ファクタリングを希望する企業、ファクタリング会社、ファクタリングを希望する企業の売掛先の3社の合意のもとで契約するため、ファクタリングを希望する企業は売掛先へ債権譲渡の同意を得る必要があります。
これにより、売掛先に資金繰りが苦しいといった印象を与える可能性があります。
また、3社間で合意形成するため、段取りや資料の作成などの手間がかかってしまうため、現金化までの時間が長くなります。
しかし、3社間ファクタリングでは売掛先からファクタリング会社に売掛金が直接支払われるため、2社間ファクタリングと比べて手数料を抑えることができます。
2社間ファクタリングは未回収リスクが高いため手数料も高い
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを比較し、2社間ファクタリングの手数料が高くなる理由を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
両者のメリット・デメリットを理解して上手に利用すれば、金融機関の融資が期待できない場合やキャッシュフローを改善したい場合の心強いサービスとなるでしょう。