タクシー会社におけるファクタリング活用例
いまや、売掛債権を売ることで資金調達を行うファクタリングはあらゆる業種で利用されています。
そして、現金取引が一般的で、売掛債権とは無縁そうなタクシー会社でも、ファクタリングを使用することもあります。
それは後払い式のタクシーチケットや、企業との掛取引が売掛債権となり、ファクタリングを利用できるからです。
さらにファクタリングで資金を調達して、それに創業融資を組み合わせることで新規事業である介護タクシーに乗り出したタクシー会社もあるのです。
それでは、このタクシー会社がどのようにファクタリングと創業融資を組み合わせて、介護タクシー事業を開始したのか見ていくことにしましょう。
目次
介護タクシー参入への自己資金を求めてファクタリングを活用
少子高齢化が進む中、「介護タクシー」「福祉タクシー」への需要が高まりを見せています。
その需要を見越して介護タクシーを事業に参入しようと計画しているタクシー会社も多く存在します。
しかし介護タクシー事業を新たに始めるためには、介護に特化した車両の購入や、介護に必要な設備の導入、ホームヘルパーなどの資格を持ったドライバーを雇う人件費も必要です。
また介護タクシー事業を始めたことを宣伝するための広告費も必要でしょう。
そんな多額の初期費用を賄うためにこのタクシー会社ではファクタリングを利用することにしたのです。
創業融資制度は自己資金がないと使えない
創業資金ならば日本政策金融公庫の創業融資制度を利用すればよいのではないかと思うかもしれません。
確かに創業融資制度は低金利での借入が可能なため、他の融資に比べかなり魅力的な制度に見えます。
しかし、日本政策金融公庫の新創業融資制度の利用には自己資金割合に条件があり、必要となる資金の最低3分の1は自己資金で賄わなくてはならないのです。
そこで、足りない自己資金の調達方法としてこのタクシー会社が考えたのがファクタリングの活用なのです。
ファクタリングと創業融資制度を併せて活用する
中小企業がファクタリングを行う場合、主に利用されるのは2社間ファクタリングです。
最短で即日現金化ができ、また売掛先にファクタリングを行うことが通知されないというメリットがあります。
一方で、売掛先にファクタリング会社が直接請求できないことから未回収のリスクを考え手数料が高く設定されていることがデメリットです。
タクシー会社の掛取引やタクシーチケットが、売掛債権として2社間ファクタリングに利用できるかは、その債権自体の信頼度によります。
大手企業と長期にわたる掛取引を行っている場合などは、信頼度が高く回収できる可能性が高いと評価され、ファクタリングで買い取ってもらいやすいでしょう。
そしてファクタリングで調達した資金を自己資金に充てることで、創業融資制度の条件を満たせた場合には創業融資の審査を受けることができたのです。
タクシー会社におけるファクタリング活用例のまとめ
このように、運転資金だけではなくファクタリングと創業融資制度をうまく活用すれば、タクシー会社の新規開業や事業拡大の資金調達をスムーズに進めることができるでしょう。
中小零細企業を運営していく上では迅速な決断と行動が重要となります。
悩んでいても資金は増えません。
公的機関や日本政策金融公庫の相談コーナーを利用するなど、行動を起こしてみると今後のビジョンが想像しやすくなるのではないでしょうか。
タクシー会社向けにさまざまな融資制度や資金調達の手段はありますが、この事例のように日本政策金融公庫の創業融資制度やファクタリングの活用での自己資金調達をを検討してみてはいかがでしょうか。