ファクタリング 2022.08.09

企業の資金繰りにファクタリングが選ばれるワケ

企業にとって「資金繰り」とはどういった意味を持つのでしょうか?
簡単にいえば、会社に入ってくる資金(収入)と出ていく資金(出費)の流れを管理することが「資金繰り」なのです。
事業所の家賃、仕入れ代金、人件費、外注費など、様々な支払いが滞りなくできるよう資金繰りをコントロールしなければ、会社は倒産してしまいます。
また納税と年に2回の賞与のタイミングは資金不足に陥りがちです。
仮に利益を上げていたとしても、売掛金や手形などの売上債権が回収できなければ資金難に陥り、売り上げがあるのに資金が不足する「黒字倒産」の可能性もあるのです。
ではどのようにこの事態を解決していくのでしょうか。

銀行など金融機関からの融資

このような資金不足の対策として一般的に知られるのは、銀行などの金融機関からの融資による事業資金調達です。
融資とは、銀行、信用金庫といった金融機関から借り入れることで。その最大のメリットは金利の低さです。
とりわけ銀行や日本政策金融公庫の事業者向け融資であれば、金利1パーセント未満でも融資を受けることが可能です。
ただし、融資による事業資金調達にはいくつかの問題点もあります。
たとえば、業歴が浅いうえに業績に不安があるような中小企業は、信用保証協会の保証を得なければなりません。
この場合、借入金とは別に信用保証料が必要となるほか、融資を受けるまで10日前後の時間がかかります。
また、大企業であっても融資を受ける際は資金用途や事業計画などを金融機関に説明する必要があります。
例えば資金使途が不明瞭ではお金を貸してもらえません。
また赤字補てんのように回収の見込みがない資金使途でお金を借りることはほぼ不可能なのです。
そのほか、売り上げが減少している場合も、資金繰り表を作成して返済能力に問題がない点をアピールする必要もあります。
このように、融資による事業資金調達には手間がかかるだけでなく、場合によっては融資を受けることさえできないのです。

ファクタリングは資金繰りが悪化した際の心強い味方

ファクタリングとは、ひとことで言えば、回収前の売掛金を売却できるシステムです。
また経済産業省も中小企業の新たな資金調達方法として推奨するほど期待されており、ファクタリングで調達した資金を設備投資や各種支払い、つなぎ資金など会社の資金繰りの改善に役立てることができます。
ファクタリングの最大のメリットは、「審査の緩さ」と「最短即日の入金スピード」の2つです。
ですから赤字経営や債務超過、税金滞納など融資の審査では不利とされる状況でも、ファクタリングなら資金調達が可能となります。
また、書類を事前に揃えておくなどの条件さえクリアすれば、即日での事業資金調達も可能です。
さらに、利用者とファクタリング会社の2社間で契約する「2社間ファクタリング」であれば、売掛先の企業、取引のある金融機関など第三者にファクタリングの事実を知られることが一切ありません。
これも、大きなメリットの1つといえるでしょう。

ファクタリングには注意すべきこともある

このように、大変便利なファクタリングですが、注意すべき点もあります。
それは手数料率の問題です。
ファクタリングには2種類あり、先ほど述べた「2社間ファクタリング」と、「利用者」「売掛先」「ファクタリング会社」の3社が主体となる「3社間ファクタリング」があります。
それぞれに手数料率の相場が異なっており、2社間ファクタリングの手数料率は10%~20%、3社間ファクタリングは1%~9%となっています。
ファクタリング手数料が売掛債権の粗利益率や営業益率を上回れば、利用会社はファクタリングに依存する体質になり業績悪化から抜け出せなくなってしまう可能性があることに注意すべきでしょう。

いかがでしたでしょうか。経済産業省の後押しもあり、今後ファクタリングはより身近なものになっていくことでしょう。
資金調達の在り方が変わろうとしているいま、ぜひファクタリングについて詳しく知り、賢く利用して資金繰りに役立てましょう。

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