ファクタリング 2019.07.28

売掛金を回収する保険としてのファクタリング活用

企業間での取引は掛け取引が一般的です。そのため、せっかく売り上げたのに、売掛金を回収できるのは1~2ヶ月先となり、その間に仕入れ先の支払いや従業員への賃金の支払いなどの現金での支払いが発生して、自社の財務面に余裕がない場合は、黒字倒産などということも考えざるを得ません。
企業にとっては、売掛金を一日も早く現金化したいという思いもありますが、もし取引先に不渡りなどがでた場合、売掛金を回収することができません。その保険としてもファクタリングが有効になるのです。それでは通常の「買取ファクタリング」と「保証ファクタリング」がどのように違うのかみていきましょう。

買取ファクタリング

買取ファクタリングとは、企業が売掛金を一日も早く現金化したいときに使われるファクタリングです。ファクタリング会社に売掛債権を売却し、手数料を引かれた買取金額を現金で受け取ることができます。
この買取ファクタリングには、自社とファクタリング会社のみの2社間と、自社と取引先とファクタリング会社の3社間があり、2社間よりも3社間の方が、手続きは煩雑ですが、取引先も入るため、取引先への売掛金支払の圧力も与えることができるため、手数料は少なく、より多くの買取金額を受け取ることができるのです。ただし、ファクタリングを使用していることが取引先にバレてしまうので、今後の取引について自社の信用度が疑われてしまう可能性もあります。
なお、自社と取引先とで交わした契約書の中で、債権譲渡を禁止する条項がある場合は、この買取ファクタリングを活用することはできません。
買取ファクタリングを行う際には、取引先からの自社の信用度と、買取金額を天秤にかけて考える必要があります。

保証ファクタリング

保証ファクタリングとは、買取ファクトリングとは違い、資金の調達を目的とはしていません。例えば、初めて取引をする企業や起業したばかりの企業と取引をする場合、売掛金を期日までに回収できるか不安ですよね。もし、その売掛債権について、保証ファクタリングを利用した場合、万一取引先の企業が不渡りや倒産などによって売掛金の回収が出来なかった場合は、ファクタリング会社が取引先の代わりに保証金を支払ってくれるというものです。いわば、売掛債権の保険のようなサービスとなります。
それでは、保証ファクタリングのメリットとデメリットを説明しましょう。
  

保証ファクタリングのメリット

①取引先の倒産などによる貸倒れリスクを回避することができる
保証ファクタリングを利用せず、取引先が倒産などとなった場合は、売掛金を回収することができません。でも、保証ファクタリングを利用することによって、保証金の支払いがあることで貸倒れリスクを回避することができます。

②与信審査をアウトソーシングできる
取引先の信用度などについて、自社で与信審査を行わずに、代わりにファクタリング会社で行ってもらえます。また、保証期間中は、ファクタリング会社から、随時、取引先の与信情報をレポートしてもらえます。

③取引先に知られずに、保証ファクタリングを利用することができる
買取ファクタリングの3社間のように取引先に知られることなく、保証ファクタリングを利用することができます。
  

保証ファクタリングのデメリット

①保証料が発生する
この保証ファクタリングは売掛債権に対する保険のようなものなので、保証料が発生することはサービスを利用する上でいたしかたないことです。

②利用できないこともある
保証ファクタリングを利用したいと思っても、取引先の信用度が著しく悪い場合は、ファクタリング会社から断られることもあります。

売掛債権について、すぐに現金化したいのか、また取引先の万一のことを考えて保険をかけておきたいかによって、買取ファクタリングを利用するか、保証ファクタリングを利用するかが異なります。しかしファクタリングをうまく利用することで、取引先への売掛金への不安も解消できるのではないでしょうか。

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