資金調達には銀行選びから 法人口座として考えたい銀行選びのポイント
法人として取引をする銀行を選ぶということは、ある意味「資金調達を見据えメインバンクとして長く取引できる銀行を選ぶ」ともいえます。
また取引先からの入金など口座の利用が増えれば、そのあとに金融機関を変えることは大変です。
例えば「銀行口座の変更を取引先にお知らせする」といった手間もそうですし、取引先などに「今までの取引銀行と何かトラブルでもあったのではないか?」「銀行から取引を切られたのかも知れない。」など取引先に不信感を抱かせてしまう可能性も否めません。
ですから最初に口座開設した銀行を、メインバンクとして長く取引していくことが理想なのです。
それでは法人口座として考えるべき銀行選びのポイントを見ていきましょう。
「敷居が高い銀行」を選ぶこと
敷居が高い銀行とは、口座作成の審査が厳しい銀行のことです。
新規口座作成は法規制もあり、法人は特に厳しくチェックされます。
特に銀行の規模が大きいほど審査が厳しくなる傾向があります。
ネット銀行のほうがメガバンクや地銀より口座を作りやすいともいわれますが、これは必ずしも正しいわけではありません。
銀行それぞれの基準で厳格に審査しているのです。
しかし審査が厳しいといわれるメガバンク口座はそれだけで自社の信用が増すといったメリットもあるので、敷居が高いメガバンクにも口座作成するメリットはあるといえるでしょう。
「メインバンクとして付き合いきれる」銀行を選ぶ
付き合いきれる銀行とは、ある意味、銀行からの「お願い」にどこまで対応できるか?ということです。
例えば、融資を受けた銀行から「1週間だけ1千万円借りて欲しい」「クレジットカードを従業員で10口作って下さい」などと依頼されることです。
これは取引支店や担当銀行員の実績が足りず、融資先にお願いしてくるもので、自社にとってほとんどメリットはありませんが、融資取引している以上、銀行からの依頼を簡単に断わることもできないでしょう。
しかし「銀行のお願いにどこまで付き合えばいいのか?」も考える必要があります。
あくまで銀行との関係のギブアンドテイクから対応するのがいいのではないでしょうか。
自分サイズの銀行を選ぶ
自分サイズの銀行とは、資金調達の面で身の丈に合った銀行のことです。
銀行は金融サービス業などと呼ばれますが、サービス業でも「顧客を選別できる」という業種ともいえます。
例えばコンビニでジュースを買おうとして、レジで断わられたことがあるでしょうか?
お金という対価を支払う顧客にジュースという商品を提供する、これが当たり前のことですが、銀行の融資では、その当たり前が成り立ちません。
融資審査の結果取引するか否か?決定権は顧客ではなく銀行にあるのです。
口座作成でも銀行は顧客を選別することができます。
口座を作ることさえお断り、コンビニで言えば店の中にも入れて貰えない、と言うことです。
一般的には「銀行の規模に比例して融資審査は厳しくなる」といわれますが、必ずしも「メガバンクだから貸してくれない」「地銀、信金だから貸してくれる」というわけでもありません。
資金調達の面で身の丈に合った銀行を選ぶことも重要なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「敷居はどの位高いのか?」「どこまで付き合いきれるか?」「身の丈に合っているか?」3つのポイントは銀行選びで重要です。「貸してくれるから」「借りやすそうだから」といった目先の理由ばかりにとらわれず、10年・20年先のことまで考えて銀行を選ぶ視点が必要なのです。