資金調達 2023.09.25

開業にまつわるお金の話~調剤薬局の開業コストと資金調達法

調剤薬局の開業には設備投資が必要であるため、ある程度まとまった資金が必要です。
そして、安定経営のためには、多くの処方箋を受け入れることがポイントになります。
したがって、病院に近接しているか、周辺に複数の病院が存在することが望ましいといえます。
開業コストは、立地場所・規模によって違いがあります。
しかし、冒頭でも触れましたが調剤薬局はかなりの資金が必要であることはいうまでもありません。
そこで、具体的なコストの内訳と、どのような資金調達方法があるのかを説明しましょう。

調剤薬局の開業コスト内訳

まずは調剤薬局を開業するにあたって必要になる費用の内訳から見ていきましょう。

①物件を用意するための費用

・建物自体を用意する場合
土地購入代金・建築費・物件取得に伴う手続き費用

・賃貸の場合
保証金・仲介手数料・リフォーム費用

一般的に、保証金は賃料の2~10ケ月分、仲介手数料は賃料の1~2ケ月分、リフォーム費用は500万円~1,000万円が必要といわれています。

②調剤機器

分包機・調剤棚・調剤用の台・薬剤保冷庫等
(購入しない場合はリースという方法もあります。)

③医薬品

隣接の病院の形態と地域の医療機関の数・規模・診療科目等により必要数を備蓄します。
各病院からの処方箋に応需できることを考慮して下さい。

④その他消耗品

薬袋・お薬手帳・分包紙等

②~④合計で500万円~700万円必要といわれています。

⑤人材確保のための費用及び人件費

広告費・研修費(必要に応じ)・制服購入費・福利厚生費・当面の給与約200万円~400万円必要といわれています。

⑥固定費

水道光熱費・通信費・雑費

⑦その他

スタッフ・顧客の駐車場代、申請・手続き代、薬剤師会入会・年会費 等

以上から、あくまでも一例ですが、2,000万円~4,000万円の間で開業されているケースが多いようです。

資金調達法

調剤薬局を開業するには、前述のようにかなりの費用がかかります。
費用の全額を用意できない場合は、融資を検討することをおすすめします。
融資を受ける場合には、「自己資金の割合も大事ですが、事業計画書の内容の方がもっと大事」とも言われているように、綿密な事業計画書を早期から準備をしておく必要があります。
多くの調剤薬局開業者は、独立起業を支援している「日本政策金融公庫」からの融資を利用しているようです。
融資を受ける場合には一定の自己資金が必要であり、最低でも、総事業費の3分の1を自己資金として用意するのが望ましいといわれています。
そのために自己資金用の専用の銀行口座で、毎月継続的に少しずつ貯蓄をし、銀行口座を管理することで金融機関からの評価や信用度が上がり、融資の審査に通りやすくなると思われます。

調剤薬局の開業コストは一概にいくらとはいえませんが、かなりの金額になります。
そして、最初に想定していた開業コストの金額よりも、大きくなってしまうのが一般的のようです。
調剤薬局の開業を考える際には、新規開業をサポートするプロのコンサルティング会社や、「日本薬剤師会」、「全国医薬品小売商業組合連合会」、「日本薬局協励会」で相談し、効率よくすすめていくことが重要であると思われます。
まずは、早い段階から日本政策金融公庫からの融資を受けられるよう自己資金を作り、事業計画書を作成したうえで、資金準備を行いましょう。

to top