資金調達 2022.08.09

企業の資金調達のポイント4 保証協会保証とプロパー融資の違いとメリット・デメリット

銀行から企業に行う融資には、「信用保証協会の保証付融資」と「プロパー融資」の2種類があります。
この2つの融資についての概要や、その違いと、利用する時のメリット・デメリットを解説します。

「信用保証協会の保証付融資」と「プロパー融資」とは

「信用保証協会の保証付融資」とは、金融機関からの融資の際に、信用保証協会が保証する融資のことをいいます。
信用がまだない起業したばかりの企業や、事業歴が浅い企業などの場合、金融機関からの融資を受けることは難しいですが、信用保証協会が企業の「公的な保証人」になることで、金融機関からの融資を受けやすくなります。
それに対して「プロパー融資」とは、一般的な金融機関からの融資のことをいいます。
信用保証協会の保証がない融資ともいえるでしょう。

信用保証協会の保証付融資を利用するメリット

担保・保証人がなくても融資可能

信用保証協会が保証してくれるので、不動産等の担保は不要であり、代表者以外の連帯保証人についても不要です。
万一、企業や個人事業主が融資の返済できなくなった場合には、信用保証協会が代わりに金融機関に全額返済を行います。
その後、信用保証協会が債権者となり企業と連帯保証人から返済金を回収していく流れになります。

長期間の借入が可能

プロパー融資に比べて、信用保証協会の保証付融資は長期間の返済期間を設定できます。
本来ならば、返済期間が長くなる場合、金融機関は貸し倒れリスクが高くなりますが、保証付融資では返済期間を長くすることができます。

信用保証協会の保証付融資を利用するデメリット

審査に時間がかかる

信用保証付融資の場合、金融機関と信用保証協会の両方で審査を行います。
そのため、両機関による審査や書類のやりとりに時間がかかるため、申込みから融資までに1ヶ月程度かかります。

保証料がかかる

信用保証付融資の場合、信用保証協会に保証をしてもらうため、そのための保証料を信用保証協会へ支払う必要があります。
保証料は、借入金額や借入期間などに応じた金額となるため、融資額が大きくなればなるほど、保証料も大きくなります。

プロパー融資を利用するメリット

保証料がない

プロパー融資の場合、金融機関と直接、融資の契約を行うため、信用保証協会の保証を受けることはありません。
そのため、企業や個人事業主は保証料を払う必要なく、融資を受けることが可能です。

低金利で借り入れ可能

プロパー融資では貸付金利が優遇され、貸出金利自体も低くなります。

融資限度額がない

信用保証協会の保証付融資の場合、無担保の場合は8,000万円、有担保の場合は2億8,000万円以上の融資を受けることができません。
しかしながら、プロパー融資の場合は、そのような条件はなく、融資を受けられます。

信用保証協会の保証付融資に比べて審査が早い

金融機関と企業が直接契約するため、金融機関のみで審査を行います。
信用保証協会による審査もなく、また支店単独の決済ができる支店長専決制度を活用すれば即日に融資ができる場合もあります。
一般的に申込みから2週間程度で融資受けられるようになります。

プロパー融資を利用するデメリット

審査が厳しい

信用保証協会による保証付融資と比べてプロパー融資は企業と銀行の信用取引になります。
銀行側のリスクが高くなるため、審査を厳しくしています。

返済期間が短い

貸し倒れリスクは返済期間が長いほど高まります。
そのため、プロパー融資の場合、銀行側のリスクが高いため、返済期間が短くなることが通常です。
信用保証協会による保証付融資とプロパー融資の違いと利用する時のメリット・デメリットについて解説しました。
両者の特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、企業の状況に合った資金調達方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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