資金調達 2022.08.10

成功報酬型の助成金・補助金コンサルに意味はあるのか?

コンサルは何をしてくれるのか

主に厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金と、主に経済産業省や地方公共団体が管轄する補助金にはそれぞれ数多くの種類が存在しています。
それらを調べてその中から自社に適した制度を選定し、さらに申請に必要な事業計画書等の資料を作成する、というこれらの行程には時間と手間がかかります。
一人ひとりが抱えている業務量が多い中小企業において、容易に取り組める内容ではありません。
そこで、これらの面倒な全てを一手に引き受けてくれるのがコンサルです。

料金体系

一般的に、コンサルの料金は「着手金」と「成功報酬」の二つから成り立っています。
着手金は固定額で、成功報酬は受給額の何%という形です。
受給した助成金・補助金の額内でトータルの料金を賄うことができますし、元々取り組まなければ1円も入らないという性質のものなので、事業者にもわかりやすいメリットとしてよく提示されています。

助成金・補助金の採択率

厚生労働省管轄の助成金は、一定の要件を満たしていれば「ほぼ」受給できると言われています。
一方、経済産業省や地方公共団体が管轄する補助金は、元々の採択件数や予算総額が決まっている場合がほとんどで、公募制なので要件を満たしていても採択されないことが多々あり、制度によっては採択率がわずか数%ということも珍しくありません。
取り組めば必ずもらえるとは限らないのです。

注意すべき点

ここで、前述した料金体系の「成功報酬」の部分に注目する必要があります。
着手金として初期の経費は見込んでいるものの、いくらプロのコンサルといえど補助金の申請が通らず受給できないケースはあります。
つまり、コンサル側は人件費等のかかった費用を回収できなくなる可能性があるので、この料金体系自体がハイリスクであるといえるのです。

そこで、コンサル側は「その他の自社サービス」をセットで展開していることがあります。
コンサルが確実に利益を確保する施策です。
ここが依頼主にとって本当に有益なパートナーなのかを見極めるポイントとなります。

信頼できるコンサルの見分け方

もしも、自社にとって不必要なサービスを押し売りしてくるようなコンサルであれば、当然断らなければなりません。
提案を全て受けていれば、元々望んでいなかった着地点へ向かう可能性があります。

コンサルとして信頼できる相手かを見極める必要があるのです。
具体的にはこのような点で判断できます。

・過去の実績を明確に打ち出しているか
・助成金、補助金の申請を通じての会社作りに適切にアドバイスしてくれるか
・リスクをきちんと説明してくれるか
・日頃からコミュニケーションが取りやすいか

ひとつでも引っかかる場合、再検討が必要かもしれません。

民間のコンサルではなく、社労士に依頼して相見積もりをもらって比較してみるのも有効な手段です。
会社のこれからを支えてもらうパートナーにふさわしいかどうかという視点で見てみましょう。

【まとめ】

本当に信頼できるコンサルと提携をする、というのが必須の条件でありながら、条件に当てはまる提携先を見つけ出すのは容易ではありません。
資金調達のことだけを考えすぎてその点をないがしろにしてしまうと、期待した結果にならない可能性があります。
それらを踏まえて、いま自社において助成金・補助金コンサルに依頼することはプラスになるのか、考えられるリスクを今一度よく検討してから取り組むようにしましょう。

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