資金調達 2022.08.08

開業にまつわるお金の話〜クリニックの開業コストと資金調達法

クリニックの開業コストについて

まず、クリニック開業のためには、どれだけの資金が必要なのでしょうか。
開業コストの予算を見積もる場合、「初期投資(イニシャルコスト)」と「運転資金(ランニングコスト)」の2つに分けて考えます。
初期投資(イニシャルコスト)には、テナント入居、あるいは土地、建物の購入の関連費や内装工事費、医療機器・備品関連費、広告宣伝費などクリニックの開業にかかる費用が主となります。
そして、運転資金(ランニングコスト)は人件費やリース料、水道光熱費、福利厚生費、交際費などクリニック開業後にかかる必要な経費となります。
初期投資(イニシャルコスト)は予算の見積りにより、どれくらい資金が必要になるかは、ある程度正確に予測できるのですが、運転資金(ランニングコスト)については注意が必要です。
なぜなら、クリニックの場合、保険診療報酬が主な収入になりますが、診療報酬が支払い基金から入金されるまで、請求後2~3ヶ月かかるため、どうしても収入以上に支出するお金が多くなってしまうのです。
そのため、入念なシュミュレーションに基づいた損益計算から運転資金(ランニングコスト)を算出する必要があります。

クリニック開業コストの資金調達法

クリニックの開業コストを100%自己資金でまかなうことができれば問題ありませんが、難しい場合には、資金調達が必要です。
開業コストの資金調達方法を7つ紹介しましょう。

自己資金

自分で用意できる貯金等のことです。
100%自己資金で開業コストをまかなうことができなくても、ある程度の自己資金は必要となります。
一般的に自己資金の目安は、開業コストの5~10%といわれています。

両親・親戚

両親や親戚が開業への理解があり、なおかつ経済的にも余裕があるのであれば、活用したい方法です。
しかし、両親や親戚とはいえ、お金のことで関係が悪化しないように契約書などをきちんと設備しておくことが大切です。

制度融資

国や地方自治体が、銀行などの金融機関、各地の信用保証協会と協調して行っている創業間もない企業や中小企業をサポートする融資制度です。
低金利で融資を受けることができ、また信用保証協会が融資の保証をしてもらえるため、連帯保証人を付けることなく融資を受けることができます。

日本政策金融公庫

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、創業資金や事業資金などに比較的低金利で融資を受けることが可能です。
創業融資の場合、不動産担保などの物的担保があれば、担保価値の範囲内で上限7200万円まで融資を受けることが可能です。

民間金融機関

医師開業向けローンとして担保不要とする商品が主流です。
銀行の場合、融資のハードルが他と比べて高いようですが、昨今は柔軟に対応する金融機関が増えてきているようです。

補助金・助成金

地方自治体や団体が、各種の補助金・助成金制度を用意しています。厚生労働省関係の団体が支給するものを「助成金」、経済産業省などが厚生労働省関係以外の団体が支給するものを「補助金」と呼びます。
補助金・助成金は返済のいらない資金で、活用できれば借入を少なくすることができると思われますが、現実は厳しいようです。

リース会社

医療機器・各種設備など、限定的な利用に限られているものの、資金調達方法としては、スピードが速く審査も緩い傾向にあります。

クリニックの開業コストと資金調達法のまとめ

クリニックを開業するにあたり、開業コストや資金調達方法をきちんと理解して、余裕のある事業計画を目指したいものです。
そのためにも、必要な開業コストの目安や融資してくれる金融機関等のを事前に調べ、計画的に実践するようにしましょう。

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