企業の資金調達のポイント2 お金が足りない時はどのように資金調達すれば良いか
資金の調達方法には大きく分けて3つの方法があります。
借入などで負債を増やすデッドファイナンス、株式を交付することで資金を調達するエクイティファイナンス、会社の資産を売却して現金化するアセットファイナンスの3種類です。
企業によって資金不足となる原因はさまざまです。
それぞれの状況にあった資金調達方法を選ぶことが大切です。
ここでは3種類の資金調達方法についてご紹介します。
目次
デッドファイナンス
デッドファイナンスとは、負債を増やすことで資金を調達する方法です。融資やビジネスローン、家族や知人からの借入、私募債、手形割引などがこの方法にあたります。
借入の方法は多岐に渡りますが、利子や返済期限といった条件があるので企業の返済能力に応じて検討する必要があります。
それぞれの方法についてみていきましょう。
銀行融資
プロパー融資や保証協会保証付きの融資のことです。
金利が低いことが魅力ですが、審査が厳しく中小企業では融資が実行されにくいというデメリットがあります。
また申請手続きが煩雑で融資実行までに時間かかります。
ノンバンクのビジネスローン
銀行融資に比べ手続きが簡単で審査が早いことが特徴です。
審査にも通りやすいですが、金利が高いのがデメリットとなります。
日本政策投資銀行の融資
日本政策投資銀行は国の出資により設立された政府系金融機関で、長期的な資金の融資を行っています。
審査には事業計画の提出が必要になり、融資実行までに時間がかかります。
制度融資
自治体、信用保証協会、金融機関が連携して行う融資であり、比較的審査に通りやすく低金利なのが魅力です。
しかし融資が受けられるようになるまでの時間が長いので、すぐに資金が必要な場合には向きません。
家族や知人からの借入
親しい関係でのやり取りであることから、返済期限や金利などの条件も融通が利きます。
しかし、契約書を交わすなどしっかりとした取り決めをしていないと後々トラブルに発展することもあるため注意が必要です。
私募債
少人数に発行される社債のことです。知人や取引先などに買ってもらい、毎月利息を償還していき償還期限に元本を返還します。
低コストですが、償還期限が2年から7年と短いので注意が必要です。
手形割引
取引先から受け取った手形を現金化する方法です。
現金化までの時間が早いことや、銀行融資を断られた場合でも資金調達できることが魅力です。
しかし手形が不渡りになってしまった場合に弁済が必要となり、弁済後はさらに資金繰りが悪化してしまうというデメリットがあります。
エクイティファイナンス
エクイティファイナンスは株式を交付し、引き換えに資金を得る方法です。
ベンチャーキャピタルからの出資や、エンジェル投資家からの投資がこれにあたります。
デッドファイナンスと違い返済義務がなく、資本を増やすことにより財務体質の強化につながることが大きなメリットです。
しかし、多くの株式を持つ第三者に経営に口を挟まれ、組織構造などにも影響が及ぶ可能性があります。
アセットファイナンス
アセットファイナンスは企業が保有する資産を売却し現金化する方法です。
不動産や売掛債権・知的財産権などが対象となります。
未回収の売掛金を買い取ってもらえるファクタリングもアセットファイナンスに分類されます。
ファクタリングは審査に通りやすく業績に関係なく赤字でも使えるというメリットがあります。
融資の審査に通らない場合などでも活用できる方法です。
まとめ
以上のように資金調達の方法はさまざまです。
またその他の方法として、インターネットを用いて賛同者からの支援によって資金を集めるクラウドファンディングや、自治体からの補助金・助成金などもあります。
いずれの方法を用いるとしても事業計画が大切となります。
しっかりと事業計画を立てたうえで現在の企業の状況や今後の方針にあった資金調達の方法を選びましょう。