資金調達 2019.07.28

信用保証協会とプロパー融資は結局どちらが得なのか

融資での資金調達を考える場合、「信用保証協会の保証付融資」と「プロパー融資」の2つがありますが、果たしてどちらがいったい得なのでしょうか。「信用保証協会の保証付融資」と「プロパー融資」、それぞれのメリット、デメリット、そしてどちらが得なのかを見ていきましょう。

信用保証協会の保証付融資

信用保証協会の保証付融資とは、金融機関が貸したお金が返済されなかった場合に、信用保証協会が代わりに借入金を支払うという保証がついた融資です。信用保証協会が金融機関に対して保証をすることが約束されるため、原則として担保や保証人は必要ありません。ただし、信用保証協会へ保証料を支払う必要がある他、もし信用保証協会が代わりに借入金を支払った場合は、信用保証協会に返済しなければなりません。このメリットとしては、 担保や保証人が不要な点、金融機関の融資にかかる審査が通りやすくなる点、「制度融資」の利用で低金利の借入が可能な点です。また信用保証協会の保証付融資では、金融機関にとって貸し倒れのリスクが回避できるため、融資審査に通りやすくなります。さらに、この制度で融資を利用することで、行政機関が利子の一部を補助する「利子補給」を受けられる場合があり、より低金利にお金を借りることも可能なケースもあるのです。一方デメリットしては、信用保証協会へ保証料を支払う必要がある点、融資を受けるまでに時間がかかる点です。融資の審査において、金融機関と信用保証協会の双方での審査作業がかかるため、プロパー融資と比べて融資を受けるまでに時間がかかるのです。

プロパー融資

プロパー融資とは、信用保証協会の保証をつけないで、金融機関独自で行う融資のことです。金融機関がプロパー融資を行なう場合、貸し倒れ等のリスクがあるため、一般的に担保や保証人が必要となります。このメリットとしては、 保証料を支払う必要がない点、融資を受けるまでの時間が短い点です。信用保証協会の保証付融資の場合は、融資金額が大きければ大きいほど保証料が高くなり、数十万円の保証料を支払う場合もあります。一方、プロパー融資は金融機関とのやりとりのみのため、保証料を支払う必要がなく、また、融資審査および融資開始までの作業も金融機関のみであるため、融資を受けるまでの時間が短くなります。金融機関にとって優良な融資である場合は、金利や借入期間等の融資条件を企業の希望に沿わせることもあります。一方でデメリットしては、担保や保証人が必要な点、融資審査が通りにくい点、信用保証協会の保証付融資と比べて貸付金利が高くなることです。信用保証協会の保証がないということは、それだけ返済されなかった場合のリスクが大きいため、リスクに備えるために融資審査を厳しくし、金利も高めに設定する場合があります。また、初めて融資取引を行う金融機関の場合、企業の信用が無いため、信用保証協会の保証付融資になることが多いようです。

「保証協会保証つき融資」と「プロパー融資」、いったいどちらが得か

自身の会社の信用度によって、「保証協会保証つき融資」と「プロパー融資」のどちらが得なのか変わります。業績が良く金融機関から信用のある企業では、プロパー融資を受けやすく、金利や借入期間等の融資条件を受容してくれるため、「信用保証協会の保証付融資」を利用するメリットは少なくなります。
一方、起業したばかりや業績が悪く信用度が低い企業は、プロパー融資の審査が通らない場合が多いです。また、プロパー融資を受けられたとしても、担保や保証人が必要であること、金利が高いことから、条件が厳しくなるため、信用保証協会の保証付融資のほうがメリットが多くなります。

【まとめ】
いかがでしたでしょうか。この記事では信用保証協会の保証付融資とプロパー融資、それぞれのメリット、デメリット、そしてどちらが得なのかを解説しました。またどちらが得なのかは自身の会社の信用度によって変わるので、自社の業績や銀行との取引状況を考え、それぞれを使い分けて有利に資金調達を行いましょう。

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