資金調達 2020.01.15

売った資産もリースできる? リースバック

セール&リースバックという言葉を聞いたことがありますか?その名の通り、「物を売り、そして、借り戻す」ということです。企業に例えて詳しく言えば、自社の資産である不動産や、車両、そしてコピー機器などの設備機器などを金融機関等のリース会社へ売却した後に、その資産をリース契約して利用し続ける資産調達方法を言います。
それでは、セール&リースバックの仕組みとメリット・デメリットを説明しましょう。

セール&リースバックの流れ

セール&リースバックの流れは下記のとおりです。自社の資産の売却とリース契約を同時に行うことで、不動産や車両、そしてコピー機器などの設備機器を継続して使用することができます。
まずは、金融機関等のリース会社とリース契約を交わす必要があります。
①自社の資産をリース会社へ売却する
②リース会社は買取金額を支払う
③リース会社はリース契約で貸し出しした資産(元自社の資産)を貸し出す
④リース会社にリース料を支払う

セール&リースバックのメリット

①売却して一時金を調達できる
自社の資産を売却することで、資産調達を行うことができます。

②資産はそのまま継続して使用することができる
自社の資産を売却しても、同時にリース契約を交わし、リースすることにより、日をあけることもなく、継続して使用することができます。そのため、仕事に支障なく資金調達をすることができるのです。

③会計上コスト管理が容易になる
自社資産として保有していた時には、減価償却費や固定資産税などの管理が必要でしたが、リース契約を行うことにより、リース料に一本化されるため、コスト管理が容易になります。
また、経理作業や税務申告も不要となるため、事務管理においても容易になります。

④ROA(総資本経常利益率)が上がることで、金融機関などからの信用度が増す
自社の資産を売却するということは、自己比率が上がり、かつROA(総資本経常利益率)が上がることで、金融機関等への信用度を増すことができます。

⑤節税効果がある
セール&リバックにより、売却損が発生した場合は法人税の節税効果につながります。

セール&リースバックのデメリット

①リース料が発生する
資産を売却してリース契約を交わしたことにより、リース料が発生します。

②リースしている物件を損傷した場合は、借主が費用負担しなくてはならない
リース契約において、善管注意義務というものがあります。これは、善良な管理者の注意をもって使用しなければならないということです。したがって、万一、事故などで物件が損傷した場合は、借主が費用負担をして直さなければなりません。

③リース契約期間満了後に物件を返さなければならない
自社の資産を売却後、そのまま継続して使うことがメリットではありますが、リース契約が満了となると、その物件をリース会社へ返還しなければなりません。もし、その物件を継続して使用したい場合は、その物件を購入しなければならず、また購入資金が必要となってしまいます。

セール&リースバックについてご理解いただけましたか。セール&リースバックを利用する際には、所有権を持つことが目的ではなく、それを使用することが目的となります。
資金調達の時に、金融機関へ融資を断られたとか、担保となる物件がない場合など、セール&リースバックという資金調達方法を活用してみてはいかがでしょうか。

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