資金調達 2022.08.18

さまざまな公的融資 その種類と利用のメリットとデメリット

民間の金融機関からの融資の場合、起業したばかりで実績や信用がない状況では、審査が通りにくく融資を受けることが非常に難しいです。
しかし、公的融資であれば銀行からの融資と比べて融資を受けやすい傾向にあります。
また、金利が低く、返済の負担が少ないため、資金調達の上で心強い制度です。
個人事業主や中小企業、実績の少ない起業家で、設備投資する場合や資金繰りのマイナスを埋めるなど、事業継続上で大きな資金が必要な場合に最適な融資制度と言えるでしょう。
公的融資は大きく分けて、「政府系金融機関からの融資」と「地方自治体等の公的機関からの融資」の2種類に分けられます。

政府系金融機関からの融資

政府系金融機関には、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫(商工中金)が該当します。

・日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、日本政府が100%出資する政策金融機関です。
融資を利用するメリットは、消費者金融等の民間の金融機関と比べて金利が低いことです。
事業者の信用度合いによって利息は異なりますが、おおよそ年2.0%程度の利息で、消費者金融と比べて金利が低い傾向にあります。
また、融資制度のラインナップが幅広く、これから起業を検討している方から、すでに事業を行っている方まで融資対象となっています。
ただし、民間の金融機関からの借り換えや担保で返すことを前提とした返済計画は対象外となっている点がデメリットとして挙げられます。

・商工組合中央金庫(商工中金)

商工組合中央金庫は、日本政府が中小企業の組合とともに共同出資をして設立された金融機関です。
中小企業の組合とその組合員を対象にした金融サービスを行っており、現預金や手形・融資など金融全般の業務を担います。
融資を利用するメリットは、日本政策金融公庫と同様に民間の金融機関と比べて金利が低いことです。
また、日本政策金融公庫と異なり、預金・決済機能があるので資金繰りの都合によって手形割引を利用できたり、短期融資が行えます。
デメリットとして、商工中金の株主である中小企業団体に加盟しなければならない点があります。
加盟していない場合には、加入のための手続や費用がかかってしまうため、注意が必要です。

地方自治体等の公的機関からの融資

都道府県や市区町村が独自で設定している融資制度です。
融資を利用するメリットは、政府系金融機関と同様に低金利で借り入れ可能な点です。
しかし、自治体や信用保証協会、金融機関の審査を受けなければならないため、融資が実行されるまでの期間が長くなる傾向があります。
また、原則として、会社所在地の地方自治体の制度融資しか利用できないため、地方自治体ごとに定められた融資の条件や金額に従わざるをえないことがデメリットとして挙げられます。
会社所在地の地方自治体の融資を確認してから、融資を検討すべきでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事では公的融資の種類とその利用のメリット、デメリットについて解説しました。
公的融資は、民間の金融機関の融資審査が通らなかった場合や個人事業主や中小企業、実績の少ない起業家におすすめの融資制度です。
利用条件や融資実行までの期間に注目し、メリット、デメリットを考慮して、自社にあった公的融資を検討しましょう。

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