ノンバンクと銀行の違い
銀行もノンバンクも法人や個人に融資するという意味では同じです。ただ根本的な違いは、銀行は原則として「預金として預かったお金」を融資するのに対して、ノンバンクは「銀行などから調達したお金」を使って融資を行なっているということです。つまり銀行とノンバンクの違いは「預金」する機能があるかないかということなのです。それでは事業用の資金を調達する観点で銀行とノンバンクの違いについて見ていきましょう。
目次
そもそもノンバンクとは
ノンバンクといっても、キャッシング枠を取り扱っているクレジットカード会社や、消費者金融業者、事業者向け専用の消費者金融業者、信販業者などさまざまな種類の業者があります。また、ノンバンクは貸金業や利息制限法といった法律により規制され、金融庁の許認可や上限金利などについても厳しく規制されているのです。つまり金融庁によって規制されているという点については銀行もノンバンクも同じということなのです。しかしノンバンクでの事業資金の調達にはこれから説明するように様々な違いがあります。
ノンバンクでは総量規制の影響で希望金額の融資が受けられない可能性がある
個人でノンバンクを利用する場合は、すべての貸金業者からの借入れが年収の3分の1に制限される総量規制の影響を受けます。ただしビジネスローンなどの事業目的の借入れに関してはこの総量規制の対象外となっています。しかしビジネスローンとして申し込めば誰でも総量規制の対象外かといえば、そうではありません。開業前に融資を申し込んだ場合などは事業目的と認められないことも多くあります。また確定申告書や事業計画書、資金計画書などで事業目的の資金であると事業資金として認められません。このあたりは銀行の融資と同じといってもいいでしょう。
ノンバンクは銀行より早く資金調達できる
銀行は融資を行うときに慎重に審査を行います。さらに銀行内の稟議や決裁といったプロセスも複雑なので、融資の申し込みをしてから実際に実行までには、2週間以上もかかることがあります。それに対してノンバンクは審査がスピーディーで、なかには即日で融資することに対応しているノンバンクもあります。例えば、取引先の支払いが急に遅延したときなど、緊急にどうしても資金が必要な場合は、ノンバンクからの融資も検討する価値があるといえるでしょう。
ノンバンクは銀行より利息が高い
利息については、ノンバンクは銀行よりも高いのが事実です。ただし、ノンバンクの中には定期的に金利を見直すことで、中には銀行と同程度の金利で融資を行なっているところも見受けられます。さらに無利息期間など独自のキャンペーンも実施しているようなケースもあり、お得な形で融資を受けることができるノンバンクも少なくはないようです。もちろん全体的に見れば銀行のほうが利息は低いのが事実ですが、キャンペーンなどを意識しながら慎重に融資を受ける先を選べば、ノンバンクを利用することも選択肢の1つとなるでしょう。
ノンバンクは銀行に比べて審査が甘い
一般的に銀行は審査が厳しいといわれています。実際に「銀行から融資を受けられないからノンバンクでなんとかならないか」と考える起業家や経営者は少なくはありません。
確かにノンバンクは融資に対して積極的な姿勢を見せているので、銀行の借入れ審査に落ちてしまったような場合でも融資を受けられるケースも多く見受けられます。
ノンバンクからの借入れは銀行からの与信に影響する
ノンバンクから借入れを行うときに注意したいのが、「銀行の与信に影響する可能性がある」ということです。しかしこれはノンバンクを利用したからダメというわけではありません。確かに決算書にノンバンクからの融資残高が残っていた場合、銀行からの融資に影響が出ることあります。ですから期中に借入れをして返済したようなケースは影響しないと考えて良いでしょう。
確かに、事業資金の借入れは銀行で行うというのが一般的ですが、融資実行までのスピーディーさや審査の面で、急にまとまった資金が必要な場合には、ノンバンクも選択肢の1つと考えてもいいといえるのではないでしょうか。