使える中小機構 節税と資金調達にもメリットがある小規模企業共済とは?
小規模企業共済とは、事業内容により異なりますが、従業員が20名以下の小規模な法人の経営者・役員や個人事業主が対象であり、月々の掛金を積み立てることで、退職時や事業の廃業時に、共済を解約した共済金を退職金とする制度です。
小規模な法人や個人事業主は、なかなか自社で退職金制度を整備することは難しいため、この小規模企業共済は、退職時の退職金や事業廃業時に必要な生活資金を得る方法として、有効な資金調達方法といえるでしょう。
小規模企業共済は、起業時・創業時などの事業が大きくなる前に加入を検討する必要があります。なぜなら、小規模企業共済は、事業内容により異なりますが、従業員の人数が加入条件でもあるからです。
そんな小規模企業共済について、メリットとデメリットを説明していきましょう。
目次
小規模企業共済のメリット
掛金が加入後であっても増減可能
小規模企業共済の場合、月々の掛金を加入後、変更することが可能です。掛金は、1,000円~70,000円の間で500円単位であれば自由に設定することができます。起業時など、事業資金に余裕がない場合は、無理のない範囲で掛金を支払うことができます。
最大120%相当額の共済金の受領が可能
月々の掛金と、掛金納付期間により共済金額は異なりますが、約20年以上の掛金納付期間がある場合、払込済の掛金の最大120%相当額の共済金を受取ることも可能です。反対に、掛金納付期間が短い場合は、払込済の掛金よりも少なく、元本割れとなる可能性もあるため、注意が必要です。
掛金が節税対象
月々の掛金の全額が、小規模企業の場合は経費に、個人事業主の場合は所得控除となります。そのため、支払った掛金の分だけ節税できるという利点があります。
個人事業主の場合、退職金が節税対象
個人事業主の場合、退職時に受け取る共済金が、退職所得となるため、事業所得に比べて税負担が軽くなります。
契約者貸付制度を利用可能
小規模企業共済でも生命保険にあるような契約者貸付制度が利用できるため、急に資金が必要となった場合には、利用することができます。
小規模企業共済のデメリット
元本割れの可能性
月々の掛金と掛金納付期間により共済金額が異なるため、掛金納付期間が短い場合は、払込済の掛金よりも少ない金額となる可能性があります。小規模企業の役員・経営者や個人事業主が、いつ退職時期を迎えるのかを考え、なるべく元本割れがないよう掛金納付期間を考えたいものです。退職時の他に、事業を廃業せざるを得ない可能性もあるかもしれないので、共済を解約時に元本割れのリスクがあることも踏まえて加入するようにしましょう。
②小規模企業の場合、退職金が課税対象
月々の掛金については節税対象となりますが、共済金の受取時には、その共済金が課税対象となります。そのため、共済金を受取った年の税負担があることを認識しておく必要があるでしょう。
中小機構の小規模企業共済について、ご理解いただけましたでしょうか。事業が大きくなって資金が必要となった場合、従業員の人数にによって加入ができないこともあります。そのためにも、起業時や創業時に、この中小機構が提供するメリットが多い小規模企業共済の加入を検討するのをおすすめします。中小機構の支援サービスを上手く活用して、小規模企業の経営者・役員、そして個人事業主の皆さんが、安心して退職できる準備をしていきましょう。